Psyche


桐原さん

ご紹介

はっとするほど胸に迫る夢小説をお書きになる方。作風と呪&WTの親和性が高すぎる。マジで高すぎるのでとりあえずこの方のお話を読んでおけば呪夢とWT夢は大体分かった気になれます。余力があればホークスの話も読んでほしい。あとドクスト夢が読めるという点でもめちゃくちゃ貴重なサイトです。遠近は金カムとJOJOと血界戦線に明るくないのでこちらの作品たちは読めていませんが、約束されたクオリティなのでそちらのジャンルが好きな方も是非。こうやって多ジャンルに渡って夢を書いてくださるサイトさんはいつ訪れても何をつまんでも美味しいのでめちゃくちゃ良いですね。

サイトURLはこちら:Psyche

それでは書評のお時間です!張り切っていっちゃおー!

勝手に書評を書くコーナー

これだけはどうしても読んでもらいたいで賞
『惚れた泣いたも彼岸まで/夏油傑、五条悟、伏黒恵』
まずタイトルがめちゃくちゃ格好良い。こういうタイトルが付いてる作品が面白くないわけがない。約束された勝利の香りがしますね〜!これがあるから夢小説はやめられない!
もちろんタイトルだけじゃなく10年かけて夏油と五条とすったもんだやった末に伏黒恵とくっつくっていうストーリー展開も素晴らしいので、このお話だけでもどうにかして読んでもらいたいです。(遠近的には)桐原さんの入門編の小説です。
たくさん話数があるので好きなポイントもたくさんあるのですが、全部紹介していたらキリがないので僭越ながら一部のみ抜粋させて頂きますね。まずはここ!
「高専に、呪術界に慣れてきたということだろうか。薄情で、鈍感で、自己中心的になることが?」どう考えてもめちゃくちゃ好きです。個人的には「呪術師とは?」という呪の読者が一度は抱くであろう疑問に対するベストアンサーだと思ってます。薄情で鈍感で自己中心的であるが故に呪術師/呪詛師として生きていける五条と夏油、そんな二人に置いていかれる女に私はなりたい。
続いてはここ。「夏油は人の死に怯え友人の死を悲しんでいた恋人に対して、呪詛師となった自分についてこいと言わないことも、聞くまでもなく無理やり連れて行くようなことは決してしないことも、五条は誰よりも知っていた。そこだけは、頭を掻きむしりたくなるほど腹が立つぐらいに、五条の知る夏油傑のままだった。」ここがめちゃくちゃ解釈一致で、ああ私の好きな夏油傑と五条悟だ……と感じ入ってしまいました。好きすぎるのでどうにかして世界共通の標語にしてほしい。夏油傑が彼女に「ついてこい」の一言だけでも言えさえすれば、色んな意味できっと世界は変わってたんでしょうね。でも言えなかった(言わなかった)からこその夏油傑だと。愛しかないです。
※どうしても読んでもらいたい作品だったのでめちゃくちゃ長い評文になってしまいました。簡潔に言い表す能力が低くて申し訳ないです。どうかご勘弁くださいませ。


出来ることなら全て飲み込んでしまいたいで賞
『nameless/ホークス』
理想のホークスまさにここにあり、という感じです。ホークスに名前を教えてもらう話、というみんな一度は考えたことあるよね?って設定をきっちり生かしている上に「なるほどそうきたか」という読後の納得感まで味わえるので、一粒で二度美味しい感があります。名前を教えてくれても教えてくれなくてもどっちでも美味しいですが、今回は教えてくれないパターン。長編の『ベランダから〜』シリーズとはまた違う良さがあるので今回はこちらをチョイスしました。家を訪ねてきてくれたらもう他の人のところには帰らないでほしいし特別だって思い知らせてほしいし自分だけのヒーローであってほしい、でもプロヒーローのホークスには口が裂けてもそんなこと言えない……という葛藤含め大好きです。
「まさに飛ぶ鳥を落とす勢いという表現がぴったりの活躍ぶりを見せる若手ヒーロー様に言い寄られて悪い気はしなかった。悪い気がしないどころかいい気になって浮かれている。」特にここがめちゃくちゃ可愛い。淡々とした文の中でも主人公が浮かれているのが分かるこの感じ、遠近には出せないので憧れてしまいます(ウレシー!っていうテンションで書いてしまうので)


どこから読んでも解釈一致で賞
『踊るストロベリー/結城哲也』
青道野球部レギュラー陣の中で表立ってモテるのは御幸だけどガチ恋が一番多そうなのは結城だと勝手に思っているので、読んだ瞬間に解釈一致!!!って感じでした。ありがとうございます。勝手に私がめちゃくちゃ嬉しい。好きな書き手の方と解釈が一致していると舞い上がってしまいますね(だから勝手に書評スペシャルなんてものを書いてしまう)
同じクラスになったことがなくても伊佐敷繋がりでちゃんと自分を認識してくれる結城、食堂で近くに座ろうとすると微笑んでくれる結城、誰にでもちゃんと挨拶をする律儀な結城、食欲がない様子なのを心配してくれる結城、乙女心が分かっていない(見かねた小湊に助け舟を出される)結城、どこを取ってもめちゃくちゃ良くてニコニコしてしまいます。
特に「あれは微笑んでくれた、という私の思い違いかもしれない、いやそんなことはない、2回笑ったし、結城くんと目が合ったらすぐに分かる、だってこんなにも苦しい。」はいここ!ここがめちゃくちゃ好きです!恋の楽しさだけでなく苦しさも表しているここが!とってもとっても大好きです!
恋の悲喜交交を等身大に描いているこういうお話を読むと否応なしにテンションが上がってしまいますね。


どんな世界でも恋をしていたいで賞
『月夜の遊泳/西園寺羽京』
羽京くんが海の監視員をしに来る話。ドクストの推しキャラナンバーワンなので迷わずこちらを選びました。ドクストの夢って書くの難しくないですか? どう考えても恋してる場合じゃないストーンワールドっていう極限状態の中で如何にして夢小説的展開に持っていくか……っていうのが難しくてなかなか手が出せないでいるのですが、そんな遠近に光を与えてくれたのがこの作品です。
「わたし、なんでこんなことしてるんだろう。いつまでこんなことをするんだろう。こうやって、ただ生きて、あるいは生かされて、ゆっくりと死んでいくのだろうか。」桐原さんのこういうお話が大好きなのでそうそうこれこれ!と読んでて思いました。ドクスト夢、いつか書いてみたいです。きっとそのときにはこのお話を思い出すんでしょうね。


日常描写が超絶技巧で賞
『浮世の戯れ/太刀川慶』
何で夢本を買わなかったんだと(遠近が勝手に)後悔した作品部門ナンバーワンのお話。公開して頂いてありがとうございます。後輩の太刀川慶の軽薄さと人懐っこさを胡散臭く思いながらも徐々に惹かれていってしまう、そんなお戯れキャンパスライフを私も送りたいものです。
(原作の世界観をぶち壊しにしないようにある程度の注意を払う必要があるといえど)夢小説の世界では何をしようと自由なのでパロディ救済ご都合主義捏造その他何でもアリですが、読んでて好きなのはこういう日常描写の中に超絶技巧が見え隠れするお話ですね。めっちゃくちゃリアル。本編では中々描かれることのない大学生の太刀川慶がいる。
最初のうちは距離感の近い彼を警戒して塩対応していたものの徐々に荷物を挟まないで隣の席に座ることに抵抗がなくなっていくのも、バイト先に遊びに来た太刀川を嬉しいような複雑な気持ちで接客するのも、任務中に電話かけてくる彼を心配するのも、等身大の大学生って感じでめちゃくちゃ良いです。めちゃくちゃ感情移入出来る。実は私も三門市立大学の学生なのでは?って気分にさせてくれる素晴らしい小説。太刀川だけでなく風間さんが良い仕事をしているのも推しポイントです。


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