Machine-gun Talk! 40

二年生たちが合宿は地獄だと言っていた意味をようやく理解した。食事、練習、早寝早起き、お風呂(?)、そして監督と同室のあたしにとっては部屋でごろごろしてる時間でさえもトレーニングなのだ。邪魔だと言われても退かなかったらスクワット50回やらされた。きっと相田監督って書いて鬼って読むべきなんだとあたしは思う。

黒子くん達が騒いでいたから何事かと思えばまさかの秀徳高校のお出ましだった。久しぶりだね高尾くんと緑間くん。あ、高尾くんのカチューシャみたいなやつ可愛い。そして黒子くんの寝癖が酷……ちょっとこっちおいで直してあげるから!さすがにその髪型のまま部活するのは宜しくないと思うな!

「ちょ、日向キャプテン達とあたしのご飯の量あんまり変わんないじゃん!やめてよ監督!」
「知らないわよ」
「サラダしか作ってくれない監督の代わりにこの朝ごはん作ったのあたしなんだけど!」
「アンタも誠凛バスケ部の一員なんだからしっかり食べなさい」
「そんな……横暴だ……あたしこれでも一応女の子なのに……」
「とか言いながらしっかり食ってんじゃねーか」
「だって自分で折角作ったのに残したら勿体無いし」

ひたすら咀嚼していたら監督が先にごちそうさまをしてスキップしながらどこかへ出掛けていった。ありゃまた何か思い付いた感じだな。あれちょっと待って、監督がいなくなったってことはあたし一人でこのお皿達を洗わなくちゃいけないってことで……えええ……長湯とストレッチしまくってようやく筋肉痛とれたところだったのに。

監督がスキップしていたのは秀徳高校との合同練習を企んでいたせいだった。緑間くんと火神くん達の顔が一気に凍りつく。情報をさらすことになってしまうけれど、選手一人一人のプレイスタイルの確立のための刺激になれば、そういった思惑があってのことらしい。そして、火神くんは何故か一人だけ砂浜を走らされそうになっていた。選手の皆の分の飲み物を買ってくるという名目でのパシリだ。あ、買ってきてくれるってことは今日お茶作んなくていいんじゃないの?

「火神くんあたし炭酸飲みたいから炭酸のペットボトルよろしく!」
「やってらんねー!」

本当に買ってきてくれてしかもあたしが好きな味をちゃんと覚えててくれてたのには感動して思わず勢い余って火神くんに抱きつこうとしたけれど、暑苦しいなんて言って抱きつく前にひっぺがされた。君男の子中でもかなり力ある方なんだから仮にも女の子の先輩に全力でデコピンしちゃいけないと思うよ炭酸は有り難く貰い受けちゃうけどね!

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