木吉くんが加入することによって安定するのはリバウンドが取れる確率だけじゃなくて、日向キャプテンのシュート決定率も格段に上がる。いつもよく入るけど、今日はそのいつも以上に調子が良いように見えるしキャプテンと木吉くんって良いコンビだと思うんだよね。キャプテン本人は何故か否定してるけどプレーにおいて信頼しているのは一目瞭然だ。良いコンビなのは木吉くんとキャプテンの他に火神くんと黒子くんペアもいると思うんだけど、あの二人は喧嘩が絶えないからなあ。喧嘩するほど仲が良いってことにしておきたい。リストバンドで攻撃されると地味に痛いよね。どうも血の気が多すぎる火神くんには冷静に諭してくれる黒子くんがぴったりの相棒なんじゃないかと思う。そして何故か「青峰」って聞こえたのはあたしの気のせいなはずだ。気のせいだと信じたい。

焚き付けられた火神くんがダブルチームを抜いた。すかさずヘルプに回ってきた鳴海くんをかわして、火神くんがレーンアップ、……レーンアップ…だと…！？今度はしっかり決めたけど、バランスを崩した火神くんはまたもや落下した。やっぱり格好良いことしてるのに決まらないのは一緒なのね！とちょっとだけ安心する。「今日はよくひっくり返りますね」と言いながら火神くんを起こしてあげてる黒子くんを見て、なんだやっぱり良いコンビじゃないかと思った。マネージャーの目に狂いはないのである。

◎

東京代表を決める決勝リーグに出場する４校が出揃った。誠凛と泉真館と秀徳と霧崎第一だ。決勝リーグ緒戦の相手は泉真館で、絶対に負けられない。気合いを入れ直すと木吉くんに背中をバンバン叩かれた。めりこんだらどーすんだ！と騒いでいた火神くんの気持ちが少し分かった気がする。本当に片足ぐらいなら地面にめりこまされかねない。バスケコートに寄り道するという黒子くんに同伴しようかと申し出たけれど「さんにはまだ秘密にしておきたいので」なんて言って断られた。先輩に無断で必殺技の開発とは黒子くんも隅におけないな。秘密にしておきたい、なんて言ったからには披露したときに観客と相手をあっと言わせるくらいのすごい技開発してくれないとまたシェイクを餌に問い詰めてやるんだからね！今月も例のごとく金欠だけど！